デジタル社会の形成ともに、私たちの生活空間も大きく変わっています。21世紀に登場したスマートフォン(スマホ)は、電話( Phone )の使いやすさとコンピュータの賢さ( smart )を合わせ持つ機器であることを表すために命名されたといわれています。
パソコンやスマホ、タブレット端末、インターネットが隅々にまで浸透している社会においては、コンピュータを使うことができないと仕事をすることができなくなっています。そこで、一連の情報教育の流れの中で、まずは社会活動おいて必須となっているコンピュータ利用能力、コンピュータ・リテラシーを学習の原点として学びを開始しています。その中では、パソコンを使うときに必ず必要とされる OS の基本操作(ファイルシステムの操作、パソコンのカスタマイズ)、仕事で最も重要となるタッチタイピング、デジタルコミュニケーションにおいて必ず必要とされる電子メールの技術、ウェブの利用や、インターネットで問題となる情報倫理や情報セキュリティー、インターネット上の様々な課題を学びます。
次に、実際の仕事で利用するアプリケーションソフトの操作、利用方法を学びます。しかし、コンピュータは、単なる文書作成やデータ処理を行う機械ではありません。私たちは、日々、生活の場面、場面で次にどのように行動するか意思決定を行っています。コンピュータは、私たちが処理するには膨大すぎて対応できないデータを瞬時にして処理してくれます。私たちが間違いのない意思決定を行うためには、できるだけ異なる種類の多くのデータを処理し、その結果を参考にすることが必要です。
そこで、私たちにはいろいろな社会活動のなかで、思考の道具、意思決定の道具としてコンピュータを使う能力が求められます。情報教育では、ソフトや機器の操作だけではなく、課題を設定し、パソコンを道具として、考え、創造する能力が身につくように工夫をしています。
その中には、スプレッドシートを利用したデータ処理やウェブ技術、データサイエンスの視点から R や Python を使用しデータ処理、統計処理を通して現代社会を見つめることを行ています。
また、学習は、多くの研究が指摘している「学習者が自らのペースで学習することが最も学習効果が高い」という成果を踏まえ、オンライン学習マネージメントシステム Moodle を積極的に利用し、ブレンド学習形式を採用しています。
Moodle を利用することによって学習者は、いつでもどこからでも学習を行うことができます。学習者は、好きな時にテキストを読み、練習問題をダウンロードしたり、宿題をアップロードしたりすることができます。学校という制限された空間を離れて、自律的に学習することができる能力は、今後、ますます重要となるでしょう。そのような、今後必要となる能力を身につけるという意味においてもオンライン学習は重要な役割を果たしています。