神戸女子大学心理学部心理学科新入生に対して、担当する授業の初回で普段どのような情報通信機器を利用しているか、ネット環境ならびに普段利用しているアプリケーションについてアンケート調査を実施しています。
2025年度入学生についてアンケート調査の結果がまとまりました。今回は 75 名の方々から回答が得られました。その結果を公表します。
「普段利用している機器について」聞いたところ、90.7% の学生が iPhone を使っていました。タブレットの使用は 38.7%、Windowパソコンが 62.7%、マッキントシュは 1.3%、Windows マッキントシュ以外が 14.7 % となっています。
心理学部では Windows パソコンを必携にしています。そのため、パソコンの授業開始にあたって入学以前のパソコン利用状況に関心があります。今回の結果を以前のものと比較してみました。2023年度、Windowパソコンが 68.8%、マッキントシュは 1.0%、Windows マッキントシュ以外が 6.3 % となっています。昨年2024年度、Windowパソコンが 70.5%、マッキントシュは 0%、Windows マッキントシュ以外が 9.0 % となっていました。これらの結果と比較すると普段Windowsパソコンを利用する割合が6~7ポイント低くなっています。
また、共通して、普段パソコンを使うことのない学生が 2 割超存在しているようです。授業が始まって慣れないパソコンに苦労する学生を見かけるようになりました。その原因として、この結果が反映している可能性も考えられます。
TesTee(https://www.testee.co)による「学生のパソコン・ネットリテラシーに関する調査」(2022年度)によると15~24歳女性の方で自分専用のパソコンを持っている割合は55.3%となっています。いろいろな機関が行っている調査でもわが国は先進国の中でもパソコンの保有率が最も低いという結果が出ています。また、Z世代の次の世代では、スマホの普及によりますますパソコンを使わない、苦手とするようになりつつあるとの指摘もあります。
パソコンが出始めたころ、各大学が情報教育と称して「パソコンの活用」を教育の中に取り入れてきました。その後、高等学校の教科「情報」の新設や必須化を受けて、それまで大学で実施してきた「パソコンの活用」教育の必要性に疑問が呈せられました。しかし、スマホの普及が影響してパソコンが使えない学生の増加が見込まれる現状では、「パソコンの活用」教育の充実に舵を切る必要あるのかも知れません。
「自宅や下宿はインターネットにつながっていますか」の問いには 96% が「はい」と答えています。
スマートフォンを利用している方に「月間通信量契約量」をたずねたところ、42.7% が無制限、13.3% が 20GB 以上、21.3% が分からないと答えています。
SNSを中心に「普段よく使っているアプリケーションについて」答えてもらいました。質問では、複数回答を可としています。左のグラフがその結果です。
結果を見ると、90%近くがLINEを使っています。Instagram は約85%、YouTube が82%ほど、TikTok は69%、X(旧Twitter)65%、Facebook を使っている学生はいませんでした。昨年、話題になった BeReal ですが、45%ほどの方が使っているようです。
令和4年「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」総務省を調べたところ 20 代のSNS利用の割合は Line 98.6%、Instagram 73.3%、YouTube 98.2%、TikTok 47.9%、x 78.8%、facebook 27.6%となっています。
Facebook を利用していると回答した学生は、2023年度、2024年度もいませんでした。全国的な調査と神戸女子大学心理学部心理学科の学生との違いの原因に関心が注がれます。