大学や研究機関などは、教育や研究のみならず、そこで得た知見を地域や社会に還元する役割を持っています。

地域や社会は、次の時代を生きる子供たちが生き生きと輝き、賑わいをみせることで活気を増していきます。子供を大切にし、子供を宝とする地域や社会を作ることが私たちには求められています。

そんな子供たちを対象に、科学実験教室を自然体験講座とおして、地域への貢献、社会への貢献を行っています。

科学教育活動

持続的な社会をつくるうえで、これまで得てきた人類共通の科学技術に対する理解は欠かすことができません。自然や科学が持つ力を直接見ることはできません。自然の不思議を通して、自然が持つ法則や成り立ちに関心を持ち、進んでその不思議を理解しようとすることが求められています。

自然や科学に触れる機会を作る場所が、地域が持つ博物館や科学館です。神戸には、こどもから大人まで「科学」に触れることができる「神戸市立青少年科学館」がポートアイランドにあります。この科学館はホートピア81の後、1984年に開館しました。

2012年に古くなった青少年科学館を魅力あるものにするため、神戸市教育委員会によって「青少年科学館魅力向上に関する構想」委員会が立ち上げられました。この委員会に委員として参加し、「科学館の魅力向上に関する構想」および「展示更新基本計画」策定に関わらせていただきました。

その後、この委員会で策定されました「科学館の魅力向上に関する構想」のもと、神戸市立青少年科学館は展示の更新が続けられています。

2008年から16年まで、東灘において「Kobeサイエンスくらぶ」のボランティア講師として、小学生と科学実験を体験しました。1本の乾電池と磁石、クリップを使ってよく回るモータを作り、電気や磁石の不思議を体験したり、グレーディングシートを使って分光器を作り、いろいろな光を色に分けたり、紙ブーメランによりブーメランが投げたところに戻ってくる原理を子供たちとともに考えました。

普段、手を動かしてものを作ったりすることが少なくなった子供たちの目が活動が進むとともに輝きを増すのを見ることができてとても面白い体験をしました。

自然体験講座

2003年から2011年まで、神戸市PTA家庭教育アカデミー、神戸市PTA協議会が主催し、神戸市教育委員会、神出自然教育園、神出地域の皆さん、関係機関による協力のもと開催された滞在型自然体験講座「リトル・ファーマー・ステイ」に実行委員、実行委員長として参加しました。

「リトル・ファーマー・ステイ」は、小学校4年生から中学校2年生までの児童・生徒を対象に、日頃自然の中でいろいろな体験をする機会が少なくなった子供たちに、神戸市西区の自然豊かな神出の地にある「神出自然教育園」を舞台に、2泊3日の宿泊を伴う自然体験を目的とした講座です。

野菜の収穫や他の草取りなどの農業体験、夏の星空観察、地域の方々の指導による手作り豆腐など、さまざまな体験を通して、子供たちは成長していきます。

たった3日間の短い講座ですが、始まる前と講座を終えた後との子供たちのたくましさの違いにスタッフ全員が驚きを隠せない活動でした。

なお、この活動には、スクールサポータの学生のみなさんにも協力していただきました。