1次核と2次核比

 宇宙線が銀河空間を伝播中に星間ガスとの衝突により生成する 2 次核種( Li, Be, B, F 等)と 加速領域に存在し、2 次核種の親である考えられる 1 次核種( C, O, N, Fe 等)との比は宇宙線 の通過物質量に依存し、宇宙線の宇宙空間での伝播モデルの検証には欠かせない量です。すでに、い くつかの伝播モデルが提唱されていますが、それらのモデルの差は 1012 eV/amu 以上の 高エネルギー領域で顕著に現れてきます。JACEE 1-8 の観測で得られたエネルギー 7X1012 eV/amu までの結果を左の図に示しました。この図で、a)は Closed Galaxy モデル、b)は Nested Leaky-Box モデル、c)は Leaky-Box モデルから予想される結果を表しています。JACEE の結果は、宇宙線伝播 モデルとして Closed Galaxy モデルはどうやら排除されることを示しているように思われます。

JACEE Collaboration